Trex70’s blog

特別支援教育士として、障害児の教育相談を2000組近く行い、引退後は、毎年200冊以上の本を分野に関係なく暇に任せて読んでいます。Trexはティラノサウルス・レックスのこと。大好きな恐竜です。

暮鐘 東京湾臨海署安積班/著:今野敏

10篇からなるショートストーリー。 安積剛志強行犯第一係長をリーダーに、村雨係長、須田係長、水野巡査部長、黒木巡査、桜井巡査が、臨海署管内で発生する事件に取り組む。 <目次> 〇公務 働き方改革を上から言われて、どの部署も仕事が停滞する。大幅…

縁切り上等! 離婚弁護士・松岡紬の事件ファイル/新川帆立

鎌倉にある縁切寺として名高い「東衛寺」の住職の娘・松岡紬が主人公。 紬が、子どもの頃、母・時希子は男と駆け落ちをした。相手は、毎年春と夏に、京都からフィールドワークのためにお寺に泊まりにきていた民俗学を研究する男だった。 法科大学院を卒業し…

あきない世傳 金と銀⑫ 出帆篇/著:高田郁

女店主・幸を主人公にした物語の12作目。 支配人の佐助以下8人の奉公人が、店主の幸を支え、一丸となって、「売りたいものを扱うのではなく、お客が買いたいものを売る。売り手も買い手も幸せにする商い。」を目指す。近江商人の「三方よし」と同じ思いで…

あきない世傳 金と銀⑪ 風待ち篇/著:高田郁 

13巻まで続くシリーズもので、②の早瀬篇~⑩の合流篇を体調不良が続き、ブログを書く気が失せている間に読んでしまったので省略する。 幸という少女が、五鈴屋という呉服太物商に女衆として奉公に上がり、から番頭治兵衛利発さを認められ商いの考え方を教え…

鑑識課警察犬係 闇夜に吠ゆ/著:大門剛明

警察犬とハンドラー(犬を調教する人)の物語だ。 警察犬、警備犬、爆発物探知犬、麻薬探知犬、遺体捜査犬、セラピー犬、(ピンチを助ける)救助犬、(生活をサポートする)補助犬など様々な役割で活躍する犬がいる。 警察犬で一番大事な事は、「持来欲(じ…

ecriture新人作家・杉浦李奈の推論Ⅷ 太宰治にグッド・バイ/松岡圭祐

私は太宰治には興味がない、頭は良かったのだろうが、裕福な実家の仕送りを当てにし、女に入り上げ、次から次へと女を替える。この人の作品は純文学と言われているが、暗いというイメージが強く、また、好きな文章表現ではない。 理想の生き方と思う人もいる…

悩め医学生 泣くな研修医⑤/著:中山祐次郎

「泣くな研修医」シリーズの第五弾。 今までのシリーズでは、医師として勤務してからのストーリーばかりだったが、今回は一浪でガールフレンドも作らず努力した結果、見事、国立大学医学部に合格した主人公の雨野隆治の医大生時代の生活を綴った話だった。 …

知ってはいけない2 日本の主権はこうして失われた/著:矢部宏治

この本を読んでいると寂しくなってきた。本当に日本って、この作者が書いているようにどうしようもない国なんだろうか。 日本にはアメリカとの間に日米安全保障条約という、1951年に締結された取り決めがある。一度は改定になったが、未だに70年も前の…

正義の天秤③ 毒樹の果実/大門剛明

コロナのワクチンを5回も打ったのに、初めてコロナに罹ってしまい、10日近く朦朧として過ごしていました。この間6冊ほど本は読みましたが、ブログを書く気力も沸きませんでした。 『正義の天秤』はテレビ番組にもなり、本もシリーズ3作目になります。 …

心霊探偵八雲12 魂の深淵/著:神永学

七瀬美雪に川へ突き落とされ、昏睡状態になった晴香。晴香を助けられなかった八雲は自分を責め続け、晴香の父親からは「金輪際、娘の前に姿を現さないで欲しい」と言われ、石井刑事や後藤の前から姿を消した。後藤や石井が、八雲の携帯に連絡しても一切出る…

あきない世傳 金と銀 源流篇/著:高田郁

これは、9歳で呉服屋へ奉公に上がった「幸」の成長の物語だ。シリーズ化し、13巻も続いている。高田氏の本は、初めてだが面白かった。 摂津の武庫郡津門村に学者・重辰の子として生を受けた幸。兄・雅由、妹・結とともに育つ。父の重辰は、凌雲堂という私…

心霊探偵八雲11 魂の代償/著:神永学

”あなたは、愛する人のために何を犠牲にしますか” 今回は4つの心霊現象による事件が起こる。 1つ目は、八雲の大学の資料館の資料を隣にある倉庫に移しているときに、学生たちが倉庫の地下室にあった封印された棺桶よりも大きな箱を見つける。箱には、<コ…

マイ・リトル・ヒーロー/著:冲方丁

これは、(僕の記憶では)冲方氏が今までに書いていなかったバーチャル空間の世界を扱った小説だった。 主人公は、朝倉暢光と息子の凛一郎。 裕福な家庭で育った暢光は暢気ですぐに人を信用してしまい、また、汗水たらして働くことを避け、楽してお金を稼ぐ…

Change the World/著:秦建日子

テレビドラマ『アンフェア』の原作『刑事雪平夏見』シリーズを書いた秦さんの作品 なので面白いだろうなと思って読んでみた。 2016年12月23日に渋谷ハチ公前テロ事件の捜査を担当していた世田志乃夫は、渋谷署地域課から本所南署刑事課・強行犯係に…

転職/著:高杉良

学生時代は、野球一筋だった小野健一が主人公の経済小説。 野球では食べていけないと考えた小野は、英語が苦手にもかかわらず外資系コンサルティング大手アンダーセンコンサルティングに入社し、ハードな研修を乗り越え、取引先や同僚の信頼を得てプロジェク…

生命の大進化40億年史 恐竜の時代ー誕生、繁栄、そして大量絶滅 中生代編/著:土屋健

カラー図説 生命の大進化40億年史 中生代編 恐竜の時代ーー誕生、繁栄、そして大量絶滅 (ブルーバックス) 作者:土屋 健 講談社 Amazon 古生代からの第2巻目。 約2億5200万年前に始まった「三畳紀」:恐竜時代の黎明期 約2億100万年前から始まった…

心霊探偵八雲10 魂の道標/著:神永学

「魂の道標」・・・・八雲にとっての道標とは 赤い目を持っていたため、周囲から忌み嫌われ、人と関わらないように生きていた八雲は、小沢晴香によって社会とかかわることができるようになっていた。そこに、幽霊が見える左眼を七瀬美雪に傷つけられ、幽霊が…

時を追う者/著:佐々木譲

これは、自分の過去を書き換えるのではなく、歴史そのものを変えることができるかどうかを考えさせる小説だった。 始めの50ページほどは、「100年戻し」という言い伝えがあり、それを実行できる近くの亀裂があるということを繰り返し繰り返し、主人公を…

発達障害の人が見ている世界/著:岩瀬敏郎

発達障害といっても、知能指数の高い人から、そうではない人まで様々な人がいる。 発達障害の研究会での発表では、動作性と言語性の認知に差が少なく、知能指数も80以上の場合が多く、健常児(者)に近い事例が多い。 教育の場では通級に在籍していても、…

羽毛恐竜完全ガイド/著:BIRDER編集部編

鳥は恐竜である。恐竜は爬虫類である。ゆえに鳥は爬虫類である。 その証拠に、鳥の足は鱗でおおわれている。嘴もうろこでおおわれている。嘴鞘(ししょう:上下の顎の骨が突出し、それを角質の薄いコーティングがおおう構造をしている)は、いくつかの鱗が癒…

ヨモツイクサ/著:知念実希人

これは、サスペンスホラー小説だった。途中で読むのが怖くなり、ページの途中で、他の本を読んで気持ちの切り替えをしてから、再度続き続けた。今まで読んだことのないタイプの怖さだったが、どうなっていくんだろうという興味も募った。 また、最後はハッピ…

香港警察東京分室/著:月村了衛

ICPO(国際刑事警察機構)を仲介役として日本の警察庁と香港警察の香港警務処との間で「継続的捜査協力に関する覚書」が締結され、警視庁に組織犯罪対策部国際犯罪対策課特殊共助係が新設された。日本からは、管理官として水越真希枝警視、その下に七村…

ティラノサウルス解体新書/著:小林快次

日本の恐竜研究の第一人者の小林快次博士が纏めたティラノサウルス類に関する解説書だ。 恐竜は、中生代の三畳紀後期(約2億3000万年前)に、エオラプトルやエオドロマエウス、パンファギアの恐竜類から始まったと言われている。三畳紀の終わりに,大量…

心霊探偵八雲9 救いの魂/著:神永学

シリーズの9作目。幽霊が見えるという斉藤八雲の高校時代の同級生・蒼井秀明の妹・優花が強盗に襲われて、幽体離脱して八雲の前に現れた。優花は意識が戻らず、集中治療室に入ったままだった。 秀明も幽霊が見えると公言していて、優花を襲った犯人・井本康…

八月の銀の雪/著:伊予原新

人の感情の移ろいについて表現しようとした小説だと思った。 〇八月の銀の雪 コンビニでは働くベトナム人・グエンと理系大学生・堀川の話。 堀川は、グエンの事を不愛想で手際も悪くどうしようもないと思っていたが、ある切っ掛けで、大学院博士課程で理学部…

心霊探偵八雲8 失われた魂/著:神永学

斉藤八雲は、西多摩にある鍾乳洞の中の岩屋で目を覚ました。そばには血塗れの遺体があり、それは八雲に心霊現象の調査依頼をした誠道という僧侶だった。 もしかして、ぼくがやったのか?と混乱する八雲の前に、紺色のブレザーにチェックの短いスカートを穿い…

能面検事の奮迅/著:中山七里

「能面検事」シリーズの2作目。3作目が出たので、読み直してみた。 主人公は、大阪地検一級検事の不破俊太郎。不破は、感情が表に出てこず、周囲の人間からは感情が一切読めないため、陰で「能面」と呼ばれている。 学校法人萩山学園に対する大阪府岸和田…

いなくなった私へ/著:辻堂ゆめ

この小説は、いきなり一人の少女が、渋谷のゴミ捨て場で目を覚ますところから始まる。その少女は、国民的な人気シンガーソングライターの上条梨乃だった。 なぜこんなところにいたのか、自分でも不思議に思いながら歩いていると、素顔をさらしていても誰も彼…

定年オヤジ改造計画/著:垣谷美雨

物語の五分の四は、こんなアホなオヤジよくいたなと思うほどズレているオヤジの話。 孫の面倒見るのが嫌だとか、孫のウンチのついた洗濯物を触るのも嫌だとか、女は母性本能を持っているものだとか、女房は子育てするのが当たり前だとか、良妻賢母が当たり前…

降臨 聖拳伝説Ⅰ/今野敏

古代(1200年前)から、天皇家を裏(闇)から支え続けた一族の暗闘の物語だった。 天皇家が、国内の豪族の長ではなく、大陸から渡ってきて日本を治めたということを前提にしている。また、大陸説にも近江朝や出雲朝、九州王朝等があるが、ここでは拘っていな…