Trex70’s blog

特別支援教育士として、障害児の教育相談を2000組近く行い、引退後は、毎年200冊以上の本を分野に関係なく暇に任せて読んでいます。Trexはティラノサウルス・レックスのこと。大好きな恐竜です。

発達障害の人が見ている世界/著:岩瀬敏郎

発達障害といっても、知能指数の高い人から、そうではない人まで様々な人がいる。

発達障害の研究会での発表では、動作性と言語性の認知に差が少なく、知能指数も80以上の場合が多く、健常児(者)に近い事例が多い。

教育の場では通級に在籍していても、本人の困り感を軽減させることは難しい。

同じものを聞いたり見たりしても、聞き取る力が弱く(言語性が低く)て勘違いをしたり、全然理解できていなかったり、また、見て理解する力が弱く(動作性が低い)て、一部分しか理解できていなかったり、興味関心のあるところ以外は見えていなかったり。

言語性の力が高く、動作性の力が低かったり、反対に、言語性の力が低く、動作性の力が高かったり、認知のアンバランスから、社会生活が上手く行かないで苦労しているのが発達障害の特徴です。知能が高いと「変わった人」「変な人」と周囲に思われることが多い。

発達障害の2次障害で鬱病になる人が多いのですが、大人しか見ない精神科の医師の中には、現時点でのうつ病にだけ注目し、本人の発達障害の特性を理解しないまま投薬だけのみで対応されることがあります。

自分自身の持つ発達障害の特性を理解し、また受け入れ、対処の仕方を知ることが、少しでも楽に生きていく上に大切なことと思います。

この本は、基本中の基本と思いますが、周囲の人の理解が変われば、お互いが生き易くなると思います。

<目次>

序章:発達障害って、なんだろう?(発達障害は病気ではなく、脳の”特性”です。注意

散漫でミスを連発してしまうADHDの人 ほか)

第1章:コミュニケーションの困りごと(悪気はないのになぜか人を怒らせてしまいます。人との会話がなせかいつも成立しません ほか)

第2章:行動の困りごと(落ち着きがなく失敗の連続。周りに心配ばかりかけてしまいます。周りの人といつもやることがズレています。 ほか)

第3章:発達障害の取り柄と強み(特性を生かせる役割で自信をもって!発達障害の人が持つ脳の特性が、人類を進歩させた!? ほか)