「魂の道標」・・・・八雲にとっての道標とは
赤い目を持っていたため、周囲から忌み嫌われ、人と関わらないように生きていた八雲は、小沢晴香によって社会とかかわることができるようになっていた。そこに、幽霊が見える左眼を七瀬美雪に傷つけられ、幽霊が見えなくなった八雲は、自分は何の役にも立たない人間なんだと落ち込んでいた。
警察を懲戒免職になった後藤は、英心和尚と幽霊が出るマンションに調査に出かけた。
そんな時に唯一の肉親の奈緒が幽霊に憑依され、育ての親の後藤和樹・敦子の下を飛び出した。奈緒を探しに出た後藤は交通事故に遭い、意識不明になった。
また、石井刑事のもとに土方真琴が幽霊が出るマンションの調査の依頼をした。
気力を無くしていた八雲は、晴香の熱い思いをぶつけられ、自分に自信を取り戻し、石井刑事、宮川刑事、真琴、晴香とともに3つの事件解決のために奔走する。
2つのマンションは同じマンションで、40年前に放火で10人の子どもたちが焼け死んだ児童養護施設の跡地に建てられていた。子どもたちの霊が40年間もの間、彷徨い続けていたのだった。
しかし、奈緒に憑依していたのは、子どもたちの霊ではなく、赤い両眼を持つ八雲の父親・雲海の霊だった。体を無くしても霊魂として生き続ける雲海は、弱らせて生きる気力を失った八雲の体に憑依することを狙っていた。
晴香のお陰で幽霊が見えなくなっていた左眼も見えるようになったが、最後に現れた七瀬美雪が「八雲の一番大切なものを奪ってあげる」という捨て台詞を残して消える。
「大切なもの=晴香」、次作で晴香がどんな目に合うのか、読まないわけにはいかない。