2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧
これは、役人と盗人の二人の出逢い、信頼と尊敬と友情の熱き時代小説だ。 天明四年五月の十三夜の月夜に御先手弓組の幣原喬十郎が、口入屋國田屋庄右衛門と下女おたきの惨殺体の傍らで匕首を手に両眼から涙を流している男と遭遇する。男の名は千吉(後の両替…
物語の舞台は、第二次世界大戦前の満州の大連。日本の警察を退職し、大連警察署の特務巡査として勤務することになった河村修平と画廊を手伝いながら絵を描く中村小夜、謎の30代の白人(ルカーシャ)が路面電車に偶然乗り合わせたことから始まった。 河村修…
600万部以上を売り上げたベストセラー。 防衛大学を首席卒業し、ジェット戦闘機F15のパイロットだった元航空自衛隊官で臨床心理士の岬 美由紀の幼児期の謎が明らかになる。 <上巻>追い詰められて崖から落ちて記憶を無した女性のカウンセリングにお訪…
累計700万部を超えている『心霊探偵八雲』シリーズの第1巻。 赤い左眼を持ち、死者の魂を見ることができる大学生の斉藤八雲。生まれたばかりの赤ん坊を見て恐怖の声を母親にあげらる。幼いころにその母親に首を絞められて殺されかけたところを警察官に助…
『特殊清掃人』というタイトルから、原発の汚染処理や片付けなどを行う特殊な仕事をする人の話かと読み始めたがまるで違っていた。 実際にある職業で、ネット検索をすると『特殊清掃員』でヒットした。 自然死・自殺・殺人などがあった部屋、事故物件の清掃…
「RED HERRING」:直訳すると「赤いニシン」、ミステリー小説の分野では「意図的な虚偽への誘導、読者の注意力を間違った方向や人に向ける行為」のこと この小説全体を通して暗示しているテーマだ。 オートロックのエントランスのあるマンションに…
「人類は他の生物より、知能が高く、そのために文明を築き成功することができた、と思われている。果たしてそうだろうか。」という生物の進化への疑問と謎に様々な角度から作者が迫る小説だった。 何が正しくって、何が正しくないのか。更科流の解釈で、「小…
放送権を持ったメディアの都合に振り回されず、またマスコミやスポンサー企業、観客に気兼ねせずにスポーツ選手たちは心から楽しんで競技に打ち込めているんだろうか? スポーツは本来、アスリートのためのもの。国を背負うものではないはず。 『オリンピッ…
2013年に発売された『心霊探偵八雲 ANOTHER FILES いつわりの樹』が10年ぶりに文庫化された小説だ。神永学の作品は全作読んでいたつもりが抜けていたのが分かり読んでみた。 赤い左眼で死者の魂を見ることができる青年・斉藤八雲が、同じ大学…
「数独」とは、1から9までの数字を9か所のマス目に入れ、それを一マスの塊とし、その大きなマス目が縦横で3×3マス、つまり9×9マスに、どの縦横にも1~9も数字が重ならないように並べるパズルだ。 「ナンプレ」と「数独」とどう違うのか、実際は同じ…
『ビブリア古書堂の事件手帖Ⅲ ~扉子と虚ろな夢~』(著:三上 延)で紹介されていたので読んでみた。 十五歳から五十五歳で死んだ、作家、芸能人、政治家、英雄、犯罪者などの著名人の臨終の様子をまとめたもの。 年齢には、数え年と満年齢で数える方法があ…
著者の塚原氏は、カラスの研究の第一人者。 日本のカラスには、嘴の太い「ハシブトガラス」と嘴の細い「ハチボソガラス」がいる。 「ハシブトガラス」は、おでこが盛り上がっていて直角で街中に多く生息し、カァーカァーと鳴く。体が大きい。 「ハシボソガラ…
秋麗(しゅうれい)とは、「秋晴れの心地よい気候でのどかなこと」という意味だが、そういうのんびりした小説ではなかった。 人生の中で秋を迎えるを「白秋(はくしゅう)」というが、まだまだ枯れていない世間に対して一矢報いたいというお年寄り達(ここで…