Trex70’s blog

特別支援教育士として、障害児の教育相談を2000組近く行い、引退後は、毎年200冊以上の本を分野に関係なく暇に任せて読んでいます。Trexはティラノサウルス・レックスのこと。大好きな恐竜です。

Change the World/著:秦建日子

テレビドラマ『アンフェア』の原作『刑事雪平夏見』シリーズを書いた秦さんの作品

なので面白いだろうなと思って読んでみた。

 

2016年12月23日に渋谷ハチ公前テロ事件の捜査を担当していた世田志乃夫は、渋谷署地域課から本所南署刑事課・強行犯係に異動になり、刑事になって半年の25歳の天羽史とバディを組んだ。天羽は警視庁サイバー班の出身だが、うっすらと青いカラコンを入れ、巨大なエクステをつけ、パープルピンクの長い髪をした一見キャバ嬢のような女性だった。

夏休みの前夜、錦糸公園で小学校教諭の死体が発見されたところから、ストーリーは展開していったが、読んでいて訳が分からない話が次から次へと綴られていき、結局最後まで付いていけないままに終わった。

白の頁の間に、所々、黒の頁が現れ、白頁とつながらないコンピューターゲームの中での会話のような話が書かれていて、内容が理解できずに悩ませた。

世田は事件を追ううち、巷で出回っているARシュミレーションアプリ「アイコ」の存在を知る。渋谷テロ事件の黒幕の名前が同じ、アイコだったが、「おめでとう、君が世界を変える」という言葉を残し、海に飛び込んで死んだことになっている。

被害者と関わりのあるレストラン経営者の自宅が息子が作った爆弾で爆破され、経営者の父親と息子が爆死し、運悪く訪問した息子の家庭教師・真奈美も巻き込まれた。

真奈美の恋人・泉刑事は、ホスト風の男が爆弾の材料を息子に渡していたという情報を得て、男を探している最中にナイフで刺される。

そんな難航する事件の捜査の中で、世田は別れた妻の妹夫婦の子・未来を預かった。

「地球はどんどん汚くなるし、戦争はなくならないし、子供は虐待されたりバスや車に置き去りにされて死ぬし、大人はいつも嘘ばかりついている。」そんな世界を自分たちの手で変えられるというAIのアイコをカルト教のように信奉する子どもたちが、一連の犯罪を巻き起こしていた。未来もその一人だった。

 

AIを信じ、大人を信用しない子どもたち。

事件は解決するのか、子どもたちはどうなるのか、AIは現実世界とどう折り合うのか、何もわからないまま、あとは読者が自分で考えろというのか、不完全燃焼な、尻切れトンボのように277ページの物語は終わる。

 

続編が出るのかどうかは分からないが、出ても読む気が起こるかなぁ???