鎌倉にある縁切寺として名高い「東衛寺」の住職の娘・松岡紬が主人公。
紬が、子どもの頃、母・時希子は男と駆け落ちをした。相手は、毎年春と夏に、京都からフィールドワークのためにお寺に泊まりにきていた民俗学を研究する男だった。
法科大学院を卒業してから紬は、離婚専門の松岡法律事務所を改築した東衛寺の蔵で開設した。
幼馴染で警察官だった出雲啓介は警察を辞め探偵をしていたが、紬から浮気調査を依頼されことがあり、その後、紬の事務所で働くことになった。
紬は、大学時代に一時期出雲とつきあったが、長続きしなかった。紬は、恋愛にも結婚にも興味が無かった。人は、何故結婚するんだろうと疑問に思っていた。
<目次>
第一話:くやしくば尋ね来て見よ松ヶ岡
第二話:松ヶ岡男を見ると犬がほえ
第三話:星月夜あきれるほど見て縁が切れ
第四話:松ヶ岡寝そびれた夜のぐち競べ
第五話:またいびりたくば鎌倉までおいで
聡美は夫の浮気に気づき、それまでモラハラに対して我慢に我慢を重ねていた女性が赤ん坊を連れて、実家のある北鎌倉まで逃げてきた。鎌倉駅で、追いかけてきた夫に捕まりそうになり、それを偶然見ていた紬に手を引かれ縁切寺のある松岡法律事務所に逃げ込んだ。
裁判で離婚が成立するための要件として
①配偶者の不貞行為
②配偶者からの悪意の遺棄
③三年以上の生死不明
④回復見込みのない強度の精神病
⑤その他、婚姻を継続し難い重大事由
この内の①に該当するので、聡美は浮気の証拠を集めるように紬から言われ、自分で調査しようとしたが難しく、結局、紬に依頼した。離婚が成立した聡美は、紬の事務所で事務員として働くことになった。
女性同士の同性婚、熟年離婚、自身がDVをしている自覚がなく妻から離婚を言われた男からの依頼、など様々なケースに紬は取り組んでいく。
特に面白い内容でもなく、また、嫌みでもなく、離婚するって大変なんだなぁと思いながら、一気に読み終えてしまった。
明日から、癌の手術で入院になる。どうせ入院中は暇だから、読書三昧になるかな?