警察犬とハンドラー(犬を調教する人)の物語だ。
警察犬、警備犬、爆発物探知犬、麻薬探知犬、遺体捜査犬、セラピー犬、(ピンチを助ける)救助犬、(生活をサポートする)補助犬など様々な役割で活躍する犬がいる。
警察犬で一番大事な事は、「持来欲(じらいよく)」・・・投げたボーを咥えて持ってこようとする欲求があるかどうか。
また、警察犬は、一日6回排便するトレーニングを受けていて、捜査の前には必ずウンチをさせる。これは捜査に集中させるためとのこと。
ハンドラーの野見山俊二は、警察に入って二十一年目。地域課から、鑑識課警察犬係に転属して通常は2年ごとの異動になるところを、異例とも呼べるほど長くこの部署にとどまっていた。
平成17年秋、野見山は警察犬レニーと捜索願が出ていた小4の少女を救出した。少女は、山道で足を滑らせて川岸まで転落し、低体温症になって動けないでいた。この少女、岡本都花沙は成人して警官になり、警察犬係に配属されることになる。
レニーは、爆発物探知犬として野見山と現場に出動し、地下鉄爆破事件の犯人として手嶋尚也が逮捕に貢献し、手嶋には無期懲役の判決が出ていた。その時、民間訓練士として、嘱託警察犬エリスと捜査していた下川秋穂は、地下鉄爆破事件に巻き込まれて下半身不随になっていた。
嘱託犬訓練所をしていた下川の実家は、保護犬だったレニーを引き取り、警察犬として採用されるまで育てていたのだ。
ところがその手嶋が容疑を否認し無実を主張し、警察犬の捜索に疑義を申し立て、控訴し、控訴審での臭気選別の検証を希望した。それで、レニーが臭気選別をすることになった。
ハンドラーの野見山は、その際故意に不正を行い、選別そのものを無効にした。汚名を被ったまま、野見山は警察を退職した。
ハンドラーとなった岡本都花沙は、警察犬アクセルとともに捜査に当たり、下川の嘱託犬訓練所でハンドラーとして働く野見山の協力も得て、認知症高齢者の捜索、ひき逃げ事件の捜査など日々奔走する。
警察犬を育てるハンドラーの大変さと相棒(犬)への思いを知り、勉強になった。