シリーズの9作目。幽霊が見えるという斉藤八雲の高校時代の同級生・蒼井秀明の妹・優花が強盗に襲われて、幽体離脱して八雲の前に現れた。優花は意識が戻らず、集中治療室に入ったままだった。
秀明も幽霊が見えると公言していて、優花を襲った犯人・井本康生が自殺したと世田署未解決事件特別調査室石井刑事と宮川刑事のもとを訪れた。宮川刑事は、後藤の所為で降格され調査室に異動になっていた。そこで、宮川刑事と石井刑事は、井本の周辺捜査にあたることになった。
その頃、富士の青木ヶ原の樹海に男女の大学生が侵入し、檜山健一郎の焼死体を発見した。発見した女子大生・前原里奈のもとに幽霊から「お前が殺した」と電話がかかるようになった。里奈の家は僧侶・英心の檀家だった。英心は母親から相談を受け、警察を懲戒免職になり心霊探偵を始めた後藤とともに里奈の家を訪れた。幽霊からの電話に出た後藤は、憑りつかれてしまった。
2つの事件は、当初関係がないと思われたが、新興宗教団体の慈光降神会がらみであることが分かってきた。檜山は慈光降神会の元幹部だったが、教祖の峰岸京佳と袂を分かっていた。
八雲と小沢晴香と英心と石井と記者の真琴は情報交換をしながら、事件の核心に迫っていた。その時、八雲が拉致され青木ヶ原樹海に放置された。死者の魂が見える八雲は、自殺者の霊で溢れる樹海の中で精神を破壊されそうになったが、必死に探す晴香によ
って、現実世界に戻ることができた。
なぜ八雲が拉致されたのか、井本は自殺だったのか、檜山は誰が殺したのか、生霊となって彷徨う優花の魂は肉体に戻れるのか、慈光降神会との関係は、・・・・・・
今回もまた事件の陰に、八雲の叔父・一心を殺した七瀬美雪がいた。後藤、石井、八雲が美雪を捕まえようとしたとき、美雪の反撃で八雲の幽霊が見えている赤い左眼を傷つけられてしまった。
八雲の左眼はどうなるのか、分からないまま9作目は完結した。
ストーリーの展開が速くて面白かった。