Trex70’s blog

特別支援教育士として、障害児の教育相談を2000組近く行い、引退後は、毎年200冊以上の本を分野に関係なく暇に任せて読んでいます。Trexはティラノサウルス・レックスのこと。大好きな恐竜です。

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

出雲のあやかしホテルに就職します13/著:硝子町玻璃

幼い頃から幽霊や妖怪が見える時町見初が就職した、妖怪や神様が泊まりに来る不思議なホテル「ホテル櫻葉」。女将の永遠子と恋人で陰陽師の家系に生まれた冬緒とが、妖怪や神様や人間が持ち込む様々な悩み事を解決していく物語の13作目。全シリーズ読んで…

名探偵のままでいて/著:小西マサテル

最後まで読めば分かるが、タイトルの「名探偵のままでいて」は主人公の祖父に対しての想いを表している。6編に分かれた推理小説だ。 主人公は、小学校に勤める楓。一人でマンションに住んでいる楓には、レビー小体型認知症(DBL)に罹っている祖父がいる…

Newton別冊 新・ビジュアル古生物事典

先カンブリア時代から現在までの生物、特に化石になった「古生物」について、イラストを豊富に使って解説している。古生物の本は何冊読んでも、なかなか頭の中で整理できないので、簡単にまとめてみた。中生代に生きていたモササウルスは、魚類だと思ってい…

もぐら新章 昴星(ぼうせい)/著:矢月秀作

主人公は安達竜星。空手の天性の素質を持つ若者だ。 竜星の母親・紗由美の人材派遣の会社で、システム開発を依頼していたオプテクの社員芦田の失踪事件が起こった。芦田は、デリヘル嬢のリナに入れ込み恋仲になり、秘かに沖縄から連れ出そうとした。しかし、…

高砂 あって七癖なくて四十八癖/著:宇江佐真理

題名の「七」は数の多いことを表し、「四十八」も相撲でいう四十八手のように十分に多いということを表す。つまり、癖が無いように見える人でも何かしらの癖があるもので、癖があると人ならば、なおさら多くの癖があるものだということを表している。 主人公…

松雪先生は空を飛んだ(上)(下)/著:白石一文

「松雪先生は空を飛んだ」という題名と自転車に乗って浮き上がっているような表紙のイラストから、飛行機制作の話か、空飛ぶ自動車でも発明する話かなと思って読んでみたが、そうではなかった。 松雪先生と奥さんの晴子さんが運営する学習塾で、先生から選ば…

殿さまを襲った「明治」の大事件/著:河合敦

倒幕軍に対し、佐幕が奮闘しているときに、将軍慶喜の2度に亘る逃走で、260年続いた江戸幕府は崩壊した。慶喜は大政奉還し、維新後も華族として生きた。 こうした激動の中で、多くの藩が時代に即応できず混乱を来たし、お家存亡の危機に陥った殿様と藩士…

心霊探偵八雲5 つながる想い/著:神永学

八雲の出生の秘密と晴香と八雲の浅からぬ縁が明らかになる。 前作の冒頭に記述されていた宮川刑事が遭遇した殺人事件と後藤刑事を刺した八雲の姉と名乗った精神科医が、今作品で繋がった。 15年前、ある屋敷で起きた娘を除いて祖父母と父母が惨殺され、娘…

心霊探偵八雲4 守るべき想い/著:神永学

小沢晴香が教育実習生として赴任したとある小学校で、幽霊が見えるという少年・大森真人と出会った。真人は「自分は呪われている」といい、人と関わろうとしない。 そんな真人と晴香は自分を重ねてしまい、相談の為に斉藤八雲の下を訪れた。昔、火事で焼け死…

審議官 隠蔽捜査9.5/著:今野敏

「初陣 隠蔽捜査3.5」「自覚 隠蔽捜査5.5」に続く「隠蔽捜査」シリーズのスピンオフ短編集第三弾。 主人公の竜崎伸也は、警察庁長官官房総務課長をしていたが息子邦彦の覚醒剤所持事件で大森警察署に左遷されていた。署長として大森署に勤務する間に必要とあ…

骨灰/著:冲方丁

冲方丁の本なので手に取ってみたが、私の苦手な怪奇ホラー小説だったので読むのを躊躇った。 『東棟地下、施工ミス連発』『東棟地下、いるだけで病気になる』『東棟地下、喉が痛い、絶対に有害なものが出ている』『東棟地下、火が出たあとの壁、見ると頭痛が…

ワンダーランド急行/著:萩原浩

「帝通プランニング」の企画部に勤務する野崎修作が主人公。 月曜の早朝定例会議に間に合うように家を出た野崎が駅に着くと、いつも乗る上りの電車が遅れていた。反対側に停車していた車両が空いていたので思わず座りこんでしまう。電車は下りだったが、会議…

祝祭のハングマン/著:中山七里

主人公は、警視庁捜査一課に勤務する若手女性刑事・春原瑠衣。中堅ゼネコンに勤務する父親との二人暮らし。朝食は父親お手製のベーコンエッグ。どんな時でも父親のベーコンエッグを食べて出かけるのを楽しみにしていた。 そんな親子の些細な幸せをある事件が…

幕間のモノローグ/著:長岡弘樹

主人公はべテラン俳優の南雲草介。 アクターズスクールの生徒と講師の俳優南雲と短編8話。スクールを卒業後も生徒を陰から見守る。挫折して去っていくものや事故を起こすもの、俳優を目指す卵たちに具体的にではなく婉曲にアドバイスをしていく物語。この本…

四日間家族/著:川瀬七緒

川瀬七緒の本は全て読んでいるつもりだったが、今回の作品は少し今までとは毛色が違う内容で最初戸惑った。 いきなり、自殺サイトで集まった草臥れたおっさんと年齢不相応の派手な服装の老女と高校生の少年と私が携帯の電波も届かない山の中に止めたワンボッ…

おっぱいマンション改修争議/著:原田ひ香

「おっぱいマンション」というちょっとエッチな題名が目に留まり読んでみた。 最上階に2つの大きな円錐形の突き出した大きな窓のあるマンションが、あたかもおっぱいのように見えるということでこの名がついていた。 昭和40年代に建てられた10階建ての…

殺人者の白い檻/著:長岡弘樹

題名では、刑務所の中か、病院の中での出来事を扱った小説なのか、分からずに手に取ってみた。 脳動脈瘤が破裂して総合病院に搬送され、難しい脳外科の手術を行うという話から始まった。患者は病院の隣にある刑務所から運ばれてきた殺人を犯した死刑囚だ。 …