2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧
老舗糸問屋の嶋屋元当主・徳兵衛は、還暦を機に身代を息子・吉郎兵衛に譲り、巣鴨村で隠居暮らしを始めた。ゆっくりと余生を送れると考えた徳兵衛のところに、孫の千代太が次から次と厄介ごとを持ち込んできた。 最初は犬、次いで仔猫、とうとう子供まで拾っ…
シリーズの6冊目。 定年退職後の再雇用警察官安治川信繁と少年係から左遷された新月良美と、警務部から部下の公金横領の責任を取らされ降格となり消息対応室に室長として異動になった芝隆之の3人が、四天王寺署の倉庫の2階を間借りして、誘拐、拉致、監禁…
病のために死去したラザロが、布教から帰ってきたキリストによって墓の前で呼びかけられると復活したという「ラザロの復活」という話が、ヨハネの福音書にあるそうです。その後、蘇ったラザロがどうなったのかは分からないらしい。私は、キリスト者ではない…
癌の手術をしてから、約2週間が経つ。手術前にはまるっきり無かった痛みが日に何度も身体の中に走る。痛み出すと暫く身動きが取れない。しかし、無為に時を過ごすのは嫌なので、東野圭吾の『魔女と過ごした七日間』を読んでみた。たかが400頁ほどの小説…
「あきない世傳金と銀」シリーズの最終巻。浅草田原町に江戸新店を開いた呉服屋の五鈴屋が呉服仲間から外され、呉服が扱えなくなったが浅草太物仲間の協力で再び絹織物も扱えるようになった。 数々の試練を乗り越えた五鈴屋は吉原での衣裳競べで、色ではなく…
一人の犯罪者の心理を追求していった警官の物語だ。 主人公は、大分県警本部刑事部刑事企画課捜査支援室に配属された三浦賢太郎は、大分県の警察学校での犯罪捜査の中で知った荻谷信について、既決した事件だったが卒配後も心理分析を続けていた。 萩谷を調…
これは、女性下着のワコールの創業者の塚本幸一の伝記である。それと塚本を支えた女傑たちと男たちの物語でもある。 私は、ワコールという会社は創業時からずっとブラジャーなどの女性下着を作っている会社だと思っていた。しかし、そうではなかったことを知…
10篇からなるショートストーリー。 安積剛志強行犯第一係長をリーダーに、村雨係長、須田係長、水野巡査部長、黒木巡査、桜井巡査が、臨海署管内で発生する事件に取り組む。 <目次> 〇公務 働き方改革を上から言われて、どの部署も仕事が停滞する。大幅…
鎌倉にある縁切寺として名高い「東衛寺」の住職の娘・松岡紬が主人公。 紬が、子どもの頃、母・時希子は男と駆け落ちをした。相手は、毎年春と夏に、京都からフィールドワークのためにお寺に泊まりにきていた民俗学を研究する男だった。 法科大学院を卒業し…