Trex70’s blog

特別支援教育士として、障害児の教育相談を2000組近く行い、引退後は、毎年200冊以上の本を分野に関係なく暇に任せて読んでいます。Trexはティラノサウルス・レックスのこと。大好きな恐竜です。

心霊探偵八雲12 魂の深淵/著:神永学

七瀬美雪に川へ突き落とされ、昏睡状態になった晴香。晴香を助けられなかった八雲は自分を責め続け、晴香の父親からは「金輪際、娘の前に姿を現さないで欲しい」と言われ、石井刑事や後藤の前から姿を消した。後藤や石井が、八雲の携帯に連絡しても一切出ることがなかった。八雲は、美雪に復讐しようと一人で行方を追跡していた。

そんな中、新聞社の中でオカルトオタクと見られている土方真琴のところへ、心霊写真が持ち込まれた。売り出し中の女性タレントが心霊スポットで写真集の撮影をしていた。撮影中、何者かに足を捉まれ悲鳴を上げる。男性の幽霊が何枚も写っていた。

真琴は八雲に相談しようと思ったが行方不明のため、まず未解決事件特別捜査室の石井刑事に相談した。石井と真琴は、八雲の大学の映画研究同好会を訪れてみると別人のような八雲がいた。八雲が石井を殴り倒し部屋から飛び出していった後に、わき腹を刺された真琴の姿があった。八雲が飛び出した後に、何故か七瀬美雪が入ってきて真琴を刺し、逃亡していたのだ。

英心と後藤は、娘を見て欲しいという檀家の依頼で訪問した家で、娘・愛菜が霊に憑りつかれている現場に遭遇した。

後藤は、石井刑事と愛菜の娘の家の元の保有者を調べるために不動産会社を訪れた。元の保有者は室井秋恵と言い、娘の紗月と二人暮らしだった。しかし秋恵は男に依存し尽くすタイプだったので、所有する不動産は減っていった。

秋恵は亡くなっていて、紗月は行方不明のままになっていた。

八雲は美雪の在籍していた小学校に忍び込み、卒業アルバムや文集を調べるうちに、紗月が同級生だったことを突き止め、昔、紗月が住んでいた家を訪れた。そこで、霊に憑りつかれた愛菜がいた。愛菜には女性の霊が憑りついていた。八雲が霊を払った後、庭を捜索するとハナミズキの根元から、男性と女性の遺体が見つかった。男性の遺骨は、石川正治という高校教師で、秋恵と男女の仲になっていた男だった。

石川が行方不明になり、秋恵と紗月も姿を消した。二人は、森野ホスピタルに入院していて、森野医院長により記憶を操作されていた。,

森野ホスピタルは森野院長が行方不明になり閉院し、廃墟となっていた。

八雲は、美雪の痕跡を辿るうち、秋恵と紗月、石川や森野の所在を見つけ、美雪の不幸な生い立ちを知ることになる。八雲と似た生い立ちで、ともすれば美雪と同じ闇の世界に落ち込みそうになる。しかし、幽体離脱をし、生霊となってまで八雲を心配する晴香に救われた。晴香が自分にとってかけがえのない大切な存在だったことを思い知った。

八雲は美雪のところに辿り着いた時、意識が戻らず脳死しかけている晴香のことを思い、復讐のために美雪を殺そうとしたが、ここでも晴香が現れ、殺人を思いとどまる。

滝まで逃げた美雪を追いかけ、二人は滝口に落下した。

奇跡的に八雲は助かったが、晴香のいないこの世に生きる目的を失なった。

 

この物語は、このまま終わるのかと思ったら、流石、ハッピーエンドに話を締めくくった。