Trex70’s blog

特別支援教育士として、障害児の教育相談を2000組近く行い、引退後は、毎年200冊以上の本を分野に関係なく暇に任せて読んでいます。Trexはティラノサウルス・レックスのこと。大好きな恐竜です。

2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

紙鑑定士の事件ファイル② 偽りの断罪/歌田年

「紙鑑定士の事件ファイル」の第2弾。前作同様に紙・フィギュア・模型などさまざまなテーマを織り込んだ短編集。 <目次> FILE:01 猫と子供の円舞曲 紙粘土に似た石粉粘土をぶつけられて片目を失明したり、怪我をした猫がいた。小学3年生の古戸梨…

ストロベリー戦争 弁理士・大鳳未来/著:南原詠

特許権を盾に企業から巨額の賠償金をふんだくっていた弁理士・大鳳未来は、今は反対に、特許権の侵害を警告された企業を守ることを専門にしたミスルトウ特許法律事務所を開設していた。 宮城県の久郷町は、震災の後500人ほどの人口になってしまった。 震…

作家 超サバイバル術/著:中山七里・知念実希人・葉真中顕

これは、中山七里氏と知念実希人氏と葉真中顕氏(先輩作家)から、新人作家さんやこれから小説家になろうと考えている人たちに対して、自身の経験や思いを述べた贈る言葉、エッセイ集だった。 「小説」と「エッセイ」の違いが、良く分からなかったので調べて…

答えは市役所3階に 2020心の相談室/著:辻堂ゆめ

これは、立倉市の市役所の3階会議室で開設された「2020心の相談室」でのストーリーだ。心の相談室では、若いが経験豊富な臨床心理士の”晴川あかり”と、学校教員を退職後に大学に入り直して認定心理士の資格を取った”正木昭三”の二人でカウンセリングを…

新教場/著:長岡弘樹

前作の「教場」シリーズは、読んでいて暗い、重たいと感じることが多かったが、この「新教場」では、重たいと感じさせるところは無かった。 指導官の風間公親は、”千枚通し”の異名を取る十崎(とざき)という犯罪者に狙われているため、本部長の意向で異動に…

SGU 警視庁特別銃装班/著:冲方丁

自衛隊員の吉良恭太郎と加成屋輪は、多くのものが脱落するレンジャーの特技の訓練に耐え抜き、レンジャー徽章を獲得した。訓練を終えて隊に帰還した二人は、休暇を取得し外出する。 吉良が銀行に立ち寄ったとき、銀行に止められた現金輸送車を襲う強盗団に遭…

心霊探偵八雲7 魂の行方/著:神永学

これは、1000年以上昔の長野県の戸隠、鬼無里(きなさ・現、長野市)、別所温泉などに伝わる鬼女にまつわる鬼女紅葉伝説をもとにした物語。 40数年前に両目の赤い母子が、山の中を必死に逃げていた。追手に追いつかれ、母親は殺され、子どもは逃げおお…

先生、ヒキガエルが目移りしてダンゴムシを食べられません/著:小林朋道

「脱走ヤギは働きヤギに変身し、逃げ出した子モモンガは自ら”お縄”になり、砂丘のスナガニは求愛ダンスで宙を舞う・・・・・」 表紙にある言葉だが、この本は研究論文でもなく、小説でもなく、講義でもなく、大学で学生たちに普段話している調子で書かれたも…

白銀の逃亡者/著:知念実希人

中国武漢でコロナウイルスが発症し世界中に蔓延しだしたのが2019年。それよりも3年も早く、まるで予見したかのような小説が2016年(平成28年)に出版されていた。 中央アフリカ、タンザニアにある古代遺跡の調査をしていた世界的考古学者のウイリ…

春、死なん/著:紗倉まな

これは、当時20代だった紗倉まなが書いた、野間文芸新人賞の候補に挙がった小説だ。20代の紗倉まなが、老人の日常や性について書いているがよく考えついたものだと思った。 タイトルの「春、死なん」は作中にも紹介されているが、西行法師が詠んだ句の『…

心霊探偵八雲6 失意の果てに/著:神永学

心霊探偵八雲シリーズの第6作目。 斉藤一心の高校時代の友人の新井医師が勤務する病院に幽霊が出るという。その幽霊に追い詰められて、人が死んでいるという。一心に伴われて、八雲と晴香が件の病院を訪れ、病院関係者に聞き取りをし、現場を確認した。病院…

覇王の轍/著:相場英雄

殺人を含めた犯罪も、時の政権や権力者にとって都合が悪い場合、無かったことにされる。つまり揉み消されるということがあると、様々な小説の中で書かれているが実際はどうなんだろう。有ってはならないことだと思う。しかし、つい最近も公文書を黒塗りにし…

紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人/著:歌田年

神保町で紙鑑定士事務所を営む渡部圭は、どんな紙でも見分けられる。そんな事務所へ美容師の米良杏璃が「鑑定」を「探偵」と勘違いし、「彼氏の浮気調査をして欲しい」と鑑定事務所を訪ねてきた。 疑うのは、「1つ目は、男ばかりの職場で塗装工として働いて…

もぐら新章 青嵐/著:矢月秀作

安達竜星や元警察官の楢山らの活躍により、前山・松山エリアに根を張っていた暴力団座間味組を壊滅状態に追い込み、渡久地巌を刑務所送りにし、沖縄随一の歓楽街松山に平和が戻ってきた。そん中、友人の真昌は警察間の採用試験に向け、また、竜星は進学のた…

女子大小路の名探偵/著:秦建日子

これは、好みの女とみれば直ぐにメロメロになり、また、何も先のことを考えることもなく、ただ漫然とその日暮らしを続けるダメで馬鹿な男の物語だった。このダメ男が女性がらみで殺人事件に巻き込まれる。そのダメ男を助けるために、皆が振り向くほどの美人…

パルウイルス/著:高嶋哲夫

コロナの収束の兆しが見えてきたところに、エボラウイルスよりも毒性と致死率の高い未知のウイルスが発生した。 コロナ禍においてアメリカ疾病予防管理センター(CDC)で顧問として働き、ニューヨークのコロナ対策に尽力した遺伝子工学の研究者カール・バ…

テロリストの家/著:中山七里

これは、学校の中でいじめに遭っても誰も助けようとしない、担任も見て見ぬふりする、そんなクラスも学校も嫌で、そんな人間たちが就職するこの国が嫌になった一人の女子高生が、イスラム国の兵士募集に応募したことが原因で起こった悲劇の物語だと私には思…

復讐の協奏曲/著:中山七里

園部信一郎は、14歳の時に近所の幼女を誘拐しバラバラにして地域に置いたという猟奇殺人を犯していた。少年法に守られ、殺人罪が適用されずに少年院に収監となった。更生し院を出たあと、名前を御子柴礼司と変え、司法試験に合格し「御子柴法律事務所」を…