Trex70’s blog

特別支援教育士として、障害児の教育相談を2000組近く行い、引退後は、毎年200冊以上の本を分野に関係なく暇に任せて読んでいます。Trexはティラノサウルス・レックスのこと。大好きな恐竜です。

2024-01-01から1年間の記事一覧

慟哭は聴こえない/著:丸山正樹

デフ・ヴォイス 私のいないテーブルで 龍の耳を君に 刑事何森 孤高の相貌 刑事何森 逃走の行先 これらは全て、丸山氏の著書だ。 デフ・ヴォイスから、丸山氏の著作に興味を持ち読み漁った。 いずれも聴こえない人(聾者)について書かれたものだが、聴こえな…

不屈の達磨 社長椅子は誰のもの/著:安生正

再生可能エネルギーの送電施設を開発・運営し、5300人の従業員を擁する一部上場(プライム市場?)のジャパンテックパワー(JTP)の内紛を描いた話だった。 経済紙というよりもゴシップ紙に近い出版社が、社長のゴシップ記事を掲載した。その直後、株…

絡新婦の糸 警視庁サイバー犯罪対策課/著:中山七里

女郎蜘蛛とは、水辺に現れる雲の妖怪で、人の足に糸を絡めて水中に引き込むと言われている。題名にある「絡新婦」は、熟字訓。 アカウント名<市民調査室>と名乗り、SNS上でフェイク情報を流すものが現れた。 廃業寸前のお年寄りの夫婦が二人で切り盛り…

エンド・オブ・ライフ/著:佐々涼子

作者の「エンジェルフライト 国際霊柩送還士」と「デフ・ヴォイス」を読んで、この本も読んでみようと手にとった。 「エンド・オブ・ライフ」とは、「人生の終末」。 健康な人から見た人生最期の時をどう迎えるかと、病に侵された人が人生の最期の時をどう迎…

ボーダー 移民と難民/著:佐々涼子

読めば読むほど、日本という国に対して悲しくなっていく。 裏金疑惑で問題になっている自民党の主要メンバーが全員不起訴になろうとしている。大口の脱税をしても罪にならない人たちがいる。反面、子ども食堂が増えてきているが、子どもの6人に一人は貧困家…

ファントムの病棟 天久鷹央の推理カルテ[完全版]/著:知念実希人

これは、3年前に読んだ「天久鷹央の推理カルテⅡ」の加筆修正版だった。プロローグを読んで、以前読んだことがあることに気づいた。よく確かめもせずに手にしてしまって少し後悔したが、思い出しながら読めてよかった。 主人公の天久鷹央は、先天的に『他人…

いまこそガーシュウイン/著:中山七里

岬洋介シリーズ8作目。 「ガーシュウイン」ってなんだろうというところから入った。 20世紀前半に活躍したアメリカの作曲家ジョージ・ガーシュインのことだった。 最初に紹介される「前奏曲第2番嬰ハ短調」をyoutubeで聴いてみた。本文にもあったが、私に…

大量絶滅はなぜ起きるのか 生命を脅かす地球の異変/著:尾上哲治

過去に、ビッグファイブという①オルドビス紀末の絶滅、4億4500万年前、85%の種が絶滅 ②後期デボン紀の絶滅、3億7400万年前、82%の種が絶滅 ③ペルム紀末の絶滅、2億5200万年前、96%の種が絶滅 ④三畳紀末の絶滅、2億150万年前、8…

諸葛亮(下)/宮城谷昌光

この小説は、中国の魏・蜀・呉の時代の三国志に登場する諸葛孔明にスポットライトをあてて書かれている。 下巻は面白くなかったので、読み終わるまでに時間がかかった。 次から次へと様々な人物が登場するが、それぞれの人物の人間味がほとんど描かれていな…