Trex70’s blog

特別支援教育士として、障害児の教育相談を2000組近く行い、引退後は、毎年200冊以上の本を分野に関係なく暇に任せて読んでいます。Trexはティラノサウルス・レックスのこと。大好きな恐竜です。

2023-01-01から1年間の記事一覧

心霊探偵八雲12 魂の深淵/著:神永学

七瀬美雪に川へ突き落とされ、昏睡状態になった晴香。晴香を助けられなかった八雲は自分を責め続け、晴香の父親からは「金輪際、娘の前に姿を現さないで欲しい」と言われ、石井刑事や後藤の前から姿を消した。後藤や石井が、八雲の携帯に連絡しても一切出る…

あきない世傳 金と銀 源流篇/著:高田郁

これは、9歳で呉服屋へ奉公に上がった「幸」の成長の物語だ。シリーズ化し、13巻も続いている。高田氏の本は、初めてだが面白かった。 摂津の武庫郡津門村に学者・重辰の子として生を受けた幸。兄・雅由、妹・結とともに育つ。父の重辰は、凌雲堂という私…

心霊探偵八雲11 魂の代償/著:神永学

”あなたは、愛する人のために何を犠牲にしますか” 今回は4つの心霊現象による事件が起こる。 1つ目は、八雲の大学の資料館の資料を隣にある倉庫に移しているときに、学生たちが倉庫の地下室にあった封印された棺桶よりも大きな箱を見つける。箱には、<コ…

マイ・リトル・ヒーロー/著:冲方丁

これは、(僕の記憶では)冲方氏が今までに書いていなかったバーチャル空間の世界を扱った小説だった。 主人公は、朝倉暢光と息子の凛一郎。 裕福な家庭で育った暢光は暢気ですぐに人を信用してしまい、また、汗水たらして働くことを避け、楽してお金を稼ぐ…

Change the World/著:秦建日子

テレビドラマ『アンフェア』の原作『刑事雪平夏見』シリーズを書いた秦さんの作品 なので面白いだろうなと思って読んでみた。 2016年12月23日に渋谷ハチ公前テロ事件の捜査を担当していた世田志乃夫は、渋谷署地域課から本所南署刑事課・強行犯係に…

転職/著:高杉良

学生時代は、野球一筋だった小野健一が主人公の経済小説。 野球では食べていけないと考えた小野は、英語が苦手にもかかわらず外資系コンサルティング大手アンダーセンコンサルティングに入社し、ハードな研修を乗り越え、取引先や同僚の信頼を得てプロジェク…

生命の大進化40億年史 恐竜の時代ー誕生、繁栄、そして大量絶滅 中生代編/著:土屋健

カラー図説 生命の大進化40億年史 中生代編 恐竜の時代ーー誕生、繁栄、そして大量絶滅 (ブルーバックス) 作者:土屋 健 講談社 Amazon 古生代からの第2巻目。 約2億5200万年前に始まった「三畳紀」:恐竜時代の黎明期 約2億100万年前から始まった…

心霊探偵八雲10 魂の道標/著:神永学

「魂の道標」・・・・八雲にとっての道標とは 赤い目を持っていたため、周囲から忌み嫌われ、人と関わらないように生きていた八雲は、小沢晴香によって社会とかかわることができるようになっていた。そこに、幽霊が見える左眼を七瀬美雪に傷つけられ、幽霊が…

時を追う者/著:佐々木譲

これは、自分の過去を書き換えるのではなく、歴史そのものを変えることができるかどうかを考えさせる小説だった。 始めの50ページほどは、「100年戻し」という言い伝えがあり、それを実行できる近くの亀裂があるということを繰り返し繰り返し、主人公を…

発達障害の人が見ている世界/著:岩瀬敏郎

発達障害といっても、知能指数の高い人から、そうではない人まで様々な人がいる。 発達障害の研究会での発表では、動作性と言語性の認知に差が少なく、知能指数も80以上の場合が多く、健常児(者)に近い事例が多い。 教育の場では通級に在籍していても、…

羽毛恐竜完全ガイド/著:BIRDER編集部編

鳥は恐竜である。恐竜は爬虫類である。ゆえに鳥は爬虫類である。 その証拠に、鳥の足は鱗でおおわれている。嘴もうろこでおおわれている。嘴鞘(ししょう:上下の顎の骨が突出し、それを角質の薄いコーティングがおおう構造をしている)は、いくつかの鱗が癒…

ヨモツイクサ/著:知念実希人

これは、サスペンスホラー小説だった。途中で読むのが怖くなり、ページの途中で、他の本を読んで気持ちの切り替えをしてから、再度続き続けた。今まで読んだことのないタイプの怖さだったが、どうなっていくんだろうという興味も募った。 また、最後はハッピ…

香港警察東京分室/著:月村了衛

ICPO(国際刑事警察機構)を仲介役として日本の警察庁と香港警察の香港警務処との間で「継続的捜査協力に関する覚書」が締結され、警視庁に組織犯罪対策部国際犯罪対策課特殊共助係が新設された。日本からは、管理官として水越真希枝警視、その下に七村…

ティラノサウルス解体新書/著:小林快次

日本の恐竜研究の第一人者の小林快次博士が纏めたティラノサウルス類に関する解説書だ。 恐竜は、中生代の三畳紀後期(約2億3000万年前)に、エオラプトルやエオドロマエウス、パンファギアの恐竜類から始まったと言われている。三畳紀の終わりに,大量…

心霊探偵八雲9 救いの魂/著:神永学

シリーズの9作目。幽霊が見えるという斉藤八雲の高校時代の同級生・蒼井秀明の妹・優花が強盗に襲われて、幽体離脱して八雲の前に現れた。優花は意識が戻らず、集中治療室に入ったままだった。 秀明も幽霊が見えると公言していて、優花を襲った犯人・井本康…

八月の銀の雪/著:伊予原新

人の感情の移ろいについて表現しようとした小説だと思った。 〇八月の銀の雪 コンビニでは働くベトナム人・グエンと理系大学生・堀川の話。 堀川は、グエンの事を不愛想で手際も悪くどうしようもないと思っていたが、ある切っ掛けで、大学院博士課程で理学部…

心霊探偵八雲8 失われた魂/著:神永学

斉藤八雲は、西多摩にある鍾乳洞の中の岩屋で目を覚ました。そばには血塗れの遺体があり、それは八雲に心霊現象の調査依頼をした誠道という僧侶だった。 もしかして、ぼくがやったのか?と混乱する八雲の前に、紺色のブレザーにチェックの短いスカートを穿い…

能面検事の奮迅/著:中山七里

「能面検事」シリーズの2作目。3作目が出たので、読み直してみた。 主人公は、大阪地検一級検事の不破俊太郎。不破は、感情が表に出てこず、周囲の人間からは感情が一切読めないため、陰で「能面」と呼ばれている。 学校法人萩山学園に対する大阪府岸和田…

いなくなった私へ/著:辻堂ゆめ

この小説は、いきなり一人の少女が、渋谷のゴミ捨て場で目を覚ますところから始まる。その少女は、国民的な人気シンガーソングライターの上条梨乃だった。 なぜこんなところにいたのか、自分でも不思議に思いながら歩いていると、素顔をさらしていても誰も彼…

定年オヤジ改造計画/著:垣谷美雨

物語の五分の四は、こんなアホなオヤジよくいたなと思うほどズレているオヤジの話。 孫の面倒見るのが嫌だとか、孫のウンチのついた洗濯物を触るのも嫌だとか、女は母性本能を持っているものだとか、女房は子育てするのが当たり前だとか、良妻賢母が当たり前…

降臨 聖拳伝説Ⅰ/今野敏

古代(1200年前)から、天皇家を裏(闇)から支え続けた一族の暗闘の物語だった。 天皇家が、国内の豪族の長ではなく、大陸から渡ってきて日本を治めたということを前提にしている。また、大陸説にも近江朝や出雲朝、九州王朝等があるが、ここでは拘っていな…

連鎖/著:小杉健治

弁護士鶴見京介シリーズの12冊目。 鶴見京介は、著名な作家・諸岡恭平を包丁で刺殺したとして逮捕された女性・河合しずかの弁護人になった。警察は、不倫の末の犯行と見立てたが、しずかは殺害は認めながらも不倫は否定し、諸岡との関係を黙秘した。 京介…

警視庁暴力班/著:石川智健

北森優一は、国家一種合格のキャリア組として警視庁に入庁した。優一の父親の衆議院議員・敦史は、日米地位協定の改定と日米合同委員会の解体を目指していた。そのため、敦史は大臣官房や検察庁、警察上層部から敵視され、息子の優一は警視庁の中では疎まし…

EV/著:高嶋哲夫

「EV」は、Electric Vehicleの略称で、電気自動車のこと。 この小説では、ガソリンの自動車をEVに切り替えると、どんなことが起こるかを教えてくれた。 今の自動車社会では、自動車を動かすためにガソリンが必要になる。ガソリンを給油で…

紙鑑定士の事件ファイル② 偽りの断罪/歌田年

「紙鑑定士の事件ファイル」の第2弾。前作同様に紙・フィギュア・模型などさまざまなテーマを織り込んだ短編集。 <目次> FILE:01 猫と子供の円舞曲 紙粘土に似た石粉粘土をぶつけられて片目を失明したり、怪我をした猫がいた。小学3年生の古戸梨…

ストロベリー戦争 弁理士・大鳳未来/著:南原詠

特許権を盾に企業から巨額の賠償金をふんだくっていた弁理士・大鳳未来は、今は反対に、特許権の侵害を警告された企業を守ることを専門にしたミスルトウ特許法律事務所を開設していた。 宮城県の久郷町は、震災の後500人ほどの人口になってしまった。 震…

作家 超サバイバル術/著:中山七里・知念実希人・葉真中顕

これは、中山七里氏と知念実希人氏と葉真中顕氏(先輩作家)から、新人作家さんやこれから小説家になろうと考えている人たちに対して、自身の経験や思いを述べた贈る言葉、エッセイ集だった。 「小説」と「エッセイ」の違いが、良く分からなかったので調べて…

答えは市役所3階に 2020心の相談室/著:辻堂ゆめ

これは、立倉市の市役所の3階会議室で開設された「2020心の相談室」でのストーリーだ。心の相談室では、若いが経験豊富な臨床心理士の”晴川あかり”と、学校教員を退職後に大学に入り直して認定心理士の資格を取った”正木昭三”の二人でカウンセリングを…

新教場/著:長岡弘樹

前作の「教場」シリーズは、読んでいて暗い、重たいと感じることが多かったが、この「新教場」では、重たいと感じさせるところは無かった。 指導官の風間公親は、”千枚通し”の異名を取る十崎(とざき)という犯罪者に狙われているため、本部長の意向で異動に…

SGU 警視庁特別銃装班/著:冲方丁

自衛隊員の吉良恭太郎と加成屋輪は、多くのものが脱落するレンジャーの特技の訓練に耐え抜き、レンジャー徽章を獲得した。訓練を終えて隊に帰還した二人は、休暇を取得し外出する。 吉良が銀行に立ち寄ったとき、銀行に止められた現金輸送車を襲う強盗団に遭…