「紙鑑定士の事件ファイル」の第2弾。前作同様に紙・フィギュア・模型などさまざまなテーマを織り込んだ短編集。
<目次>
FILE:01 猫と子供の円舞曲
紙粘土に似た石粉粘土をぶつけられて片目を失明したり、怪我をした猫がいた。小学3年生の古戸梨花が、渡部紙鑑定事務所を訪れた。
猫を傷つけた犯人を見つけて欲しいと1000円札1枚を依頼料として出してきた。
古戸は、クラスメートが犯人ではないかと疑っていた。
渡部は調査の為、フィギュアの造形家の團の所を訪れた。
團や土生井の協力を得ながら犯人を特定し、警察に連絡した。
FILE:02 誰が為の英雄
團は、アメコミの”ブルー・ライダー”のフィギュアを制作していた。依頼したのは、鮫洲運転免許試験場で働く伴地有美という女性だった。有美の夫は、白バイ警官で交通違反車中の事故で亡くなっていた。
事故の後、引き篭もりがちになっていた息子・翔のために依頼していた。
ブルー・ライダーは、亡くなった父親を思い出させるフィギュアだったが、團が制作したものは、なぜか翔に受け取り拒否されてしまった。
渡部が、團と拒否された原因を検討し、参考にした雑誌に問題があることが分かった。
その為、ブルー・ライダーのコスチュームの色が、父親が着ていた制服の色と異なってしまった。
FILE:03 偽りの刃の断罪
ある男が焼死体で発見された。殺人か自殺か、当初、警察は強盗殺人による放火事件として捜査を始めた。容疑者として浮上した男が犯人と思えない神奈川県警の石橋和男刑事は、渡部の事務所を訪れ、個人的に捜査協力を依頼してきた。
現場では凶器が見つからず、容疑者は犯行を否認した。しかし、解放された後、被害者の妻と会ったことで、自分が殺したと自首してきた。
渡部も石橋刑事も、犯行が信じられずに混乱した。
今回も紙鑑定士の渡部が、警察や探偵以上に行動(捜査)し事件を解決する。紙、フィギュア、粘土、生地の情報が溢れていて、頭の中が混乱する。