Trex70’s blog

特別支援教育士として、障害児の教育相談を2000組近く行い、引退後は、毎年200冊以上の本を分野に関係なく暇に任せて読んでいます。Trexはティラノサウルス・レックスのこと。大好きな恐竜です。

SGU 警視庁特別銃装班/著:冲方丁

自衛隊員の吉良恭太郎と加成屋輪は、多くのものが脱落するレンジャーの特技の訓練に耐え抜き、レンジャー徽章を獲得した。訓練を終えて隊に帰還した二人は、休暇を取得し外出する。

吉良が銀行に立ち寄ったとき、銀行に止められた現金輸送車を襲う強盗団に遭遇した。

強盗団は、現金輸送車の警備会社職員1名を射殺し1名を絞殺した。たまたまパトカーで警邏中だった婦人警官も首を撃たれてしまう。吉良は、重傷を負った警官の出血を押さえながら、強盗団に反撃を行った。

強盗団は全員で8名。M4カービン8丁と1200発の実弾を所持し、戦闘用のフェイスシールドつきMICH2000のヘルメットを被り、44マグナムの銃撃を防ぐ防弾チョッキで完全武装していた。

銀行の外で待っていた加成屋と吉良は、逃亡する強盗団を追跡し、手も足も出ない警察に代わって、たった2人で殲滅した。事件当初は、称賛されていたが、時間が経つにつれ、世間のバッシングに遭い、自衛隊も退官することになってしまった。

事件から7年後、増える一方の銃火器を使う凶悪犯罪を減らすために、警視庁内に少数精鋭の特別銃装班SGUが設立された。海外で暮らしていた吉良と可成屋にも声がかかり、この2人を含めた民間登用組3人と警視庁組5名(計8名)で、関連部署と連携しながら、銃社会の危機に立ち向かうことになった。

この小説では、コルトコマンダーやベレッタ、ジグ・ザグエル、レミントン等、いろいろな銃や、それに使用できる銃弾の種類が紹介されるが、凄いなぁとは思ってもその違いは、さっぱり分からない。作者の冲方氏は、ガンマニアなのかどうかは分からないが本当に良く調べているなぁと感心する。

強盗団のボスは元警官で、日本銀行を襲う計画を立てる。

戦闘シーンは多く出てくるが、それほど悲惨な描写にはなっていない。

 

日本国内には、暴力団だけではなく一般家庭も含めて、既に10万丁とか、20万丁とかの銃が持ち込まれていると言われている。

学校で子どもが銃を乱射して巻き添えになるという事件が、頻繁に起こっているアメリカのように、いつ日本がなるかは分からない。この小説のような国に、日本がならないことを願う。