Trex70’s blog

特別支援教育士として、障害児の教育相談を2000組近く行い、引退後は、毎年200冊以上の本を分野に関係なく暇に任せて読んでいます。Trexはティラノサウルス・レックスのこと。大好きな恐竜です。

もぐら新章 青嵐/著:矢月秀作

安達竜星や元警察官の楢山らの活躍により、前山・松山エリアに根を張っていた暴力団座間味組を壊滅状態に追い込み、渡久地巌を刑務所送りにし、沖縄随一の歓楽街松山に平和が戻ってきた。そん中、友人の真昌は警察間の採用試験に向け、また、竜星は進学のための勉強に励んでいた。

座間味組が抜けた空白地帯を狙うように、那覇の半グレたちの畏怖の対象だった渡久地巌の名を担ぎ出し城間尚亮が動き出し、目の敵にしていた金武の道場の師範代と真昌を城間たちが襲った。

竜星に負け、少年院に入っていた渡久地泰は、院を出て福岡の更生施設にいたが、ある日、泰のもとに元座間味組の伊佐が渡久地グループを再興しようと誘いにきた。しかし、中々その気にならない泰をけしかけるために、施設の中で泰を虐めていた湯沢らを唆して施設を放火させた。

放火犯の2人は伊佐の指示で、沖縄の城間の所に逃げ込んだ。しかし、2人はそこで半殺しの目に遭い、湯沢は命からがら逃げだした。伊佐が手引きしていることがばれることを恐れた城間たちは、湯沢を探し暴れ回った。

更生しようと考えている渡久地巌には、渡久地グループを再興する気持ちは一切なかった。しかし、城間は、沖縄の裏社会を牛耳ることを目論んでいた伊佐に唆され、竜星らを襲った。

人の命を守る為なら、鬼神のごとく変化する竜星。悪を懲らしめる痛快な小説だ。

立場がはっきりしているときはいいが、戦争のように国と国が争っているときは、双方が正義だと主張する。

正義と暴力についても考えさせられる。