Trex70’s blog

特別支援教育士として、障害児の教育相談を2000組近く行い、引退後は、毎年200冊以上の本を分野に関係なく暇に任せて読んでいます。Trexはティラノサウルス・レックスのこと。大好きな恐竜です。

紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人/著:歌田年

神保町で紙鑑定士事務所を営む渡部圭は、どんな紙でも見分けられる。そんな事務所へ美容師の米良杏璃が「鑑定」を「探偵」と勘違いし、「彼氏の浮気調査をして欲しい」と鑑定事務所を訪ねてきた。

疑うのは、「1つ目は、男ばかりの職場で塗装工として働いていること。2つ目は、興味のなかったプラモデル作りを始めたこと。3つ目は、プレゼントした財布がごみ箱に捨てられていたこと。」の3つの理由からだった。手掛かりは、2両の戦車と兵隊のフィギュアのディオラマのピンボケの写真一枚だけ。

ディオラマは専門でない渡部は、知人から紹介されたベテランプロモデラー土生井昇のアドバイスで依頼を解決した。

杏璃の紹介で、妹の英令奈を探してほしいと商事会社で秘書をしている曲野晴子が、妹の部屋にあった「612」のタイトルのある家のディオラマが入った段ボール箱を持って事務所を訪れた。

姉妹は14歳離れていて父親が違っていたが、2人とも父親から性的虐待を受けていた。そのために英令奈はパニック障害鬱病を抱えていた。

渡部は、持ち込まれた家のディオラマを調べていくうちに、ミニチュアハウス教室の葉田の知遇を得、土生井と葉田のアドバイスで「黄橋」の周辺を掘り起こした。そこで死体を見つけ、警察からは犯人と疑われる。

教室の生徒の蒲沢から葉田宛に、建物に乗っかっている「311」のタイトルのある「第一暁海丸」という船名の船のディオラマが送られてきた。

送られてきた船の謎解きをしているときに、機首部分が発砲スティロールにめり込んで、墜落した瞬間にしか見えない「918」とタイトルの飛行機の模型が蒲沢から送られてきた。

送られてきたディオラマの謎解きをしていくうちに大量殺人計画があることが分かる。

また、最後には、昔の大量殺人事件も明らかになった。

 

一つの謎を解けば次の謎が出てきて、次々と出てくる謎のすべてが繋がっているという面白いミステリー小説だった。