主人公はべテラン俳優の南雲草介。
アクターズスクールの生徒と講師の俳優南雲と短編8話。スクールを卒業後も生徒を陰から見守る。挫折して去っていくものや事故を起こすもの、俳優を目指す卵たちに具体的にではなく婉曲にアドバイスをしていく物語。この本で作者が伝えたいことは、演技についての取り組み方や売れない間の生活面?それとも南雲の若手への面倒見の良さかなのか、いまいちストーリー全体を通して私には伝わり難かった。
ベテランが若手に演技のアドバイスを簡単にしてくれるものなのだろうか。そうであれば辞めていく役者は少ないと思う。少しくらいはいるとは思うが、現実は厳しいんじゃないかな。
演技力が無くても、容姿が良く抜擢され、なぜかそのまま売れているものが居たりする。そうかと思うと50歳近くになって、やっと名バイプレヤーとして華が咲く役者もいる。
役者の世界は大変だと思う。
<目次>
第一章 沈黙のスピーチ
一泊遅れのプロローグ
第二章 殺陣の向こう側
第三章 汚れ役の歌
第四章 黒い代役
第五章 白紙の応援歌
第六章 湿った密室
第七章 歪んだ凶弾
一泊早いエピローグ
第八章 ヘッドボイスの行方