倒幕軍に対し、佐幕が奮闘しているときに、将軍慶喜の2度に亘る逃走で、260年続いた江戸幕府は崩壊した。慶喜は大政奉還し、維新後も華族として生きた。
こうした激動の中で、多くの藩が時代に即応できず混乱を来たし、お家存亡の危機に陥った殿様と藩士たちがいた。
この本では、7人の藩主・国父・家老を紹介していた。薩摩藩の島津久光は知っていたが、他の6人は歴史書でも時代小説でもお目にかかった記憶がないので勉強にはなった。
<目次>
第一章 理は殿様にか家臣にか
家臣の願いをよそに反新政府を貫き、ついには蝦夷地へ
新政府を最も警戒させた藩主ではない男
忠義か、お家乗っ取りか。藩主監禁を軸にした明治の大事件
第二章 分裂・抗争を繰り返す藩内
〇稲田邦植(くにたね) 洲本城代稲田家 徳島藩筆頭家老
主家(蜂須賀家)からの独立を望んだ末の惨劇
〇有馬頼咸(よりしげ) 久留米藩 藩主
長い藩主生活を送るも家臣の対立で混乱
第三章 旧藩士を守るため
〇伊達邦成(くにしげ) 仙台藩一門 亘理伊達家(わたりだて)
艱難辛苦のすえ北海道開拓に成功
藩主を辞したのちの贋金騒動解決に尽力