Trex70’s blog

特別支援教育士として、障害児の教育相談を2000組近く行い、引退後は、毎年200冊以上の本を分野に関係なく暇に任せて読んでいます。Trexはティラノサウルス・レックスのこと。大好きな恐竜です。

心霊探偵八雲5 つながる想い/著:神永学

八雲の出生の秘密と晴香と八雲の浅からぬ縁が明らかになる。

前作の冒頭に記述されていた宮川刑事が遭遇した殺人事件と後藤刑事を刺した八雲の姉と名乗った精神科医が、今作品で繋がった。

15年前、ある屋敷で起きた娘を除いて祖父母と父母が惨殺され、娘は犯人に誘拐されていた。その事件現場を地方のケーブルテレビ局が、カメラマン兼ディレクターとリポーターと似非霊媒師の3人が心霊現象撮影のために訪れ、血塗れの女に襲われた。

土方真琴は、警察署長だった父親が不祥事で退職したことで、新聞社の報道局から企画部に異動になり緊急性が無い雑用に近い仕事ばかりをさせられていた。事件現場を撮影して来いという上司の指示で屋敷を訪れ、倒れていた女性リポーターを助けた。心霊現象をとらえたハンディカメラも現場から持ち帰っていた。

後藤と石井刑事は宮川課長の命令で、解体途中で放棄された廃ビルの近辺にいる不審者を探しに行き、15年前の一家惨殺事件の犯人武田を目撃する。

真琴からの連絡で、八雲と後藤と石井は新聞社でカメラの映像を見たあと、八雲の行方が分からなくなり、また、後藤刑事も消息不明になるという事件が起こった。

小沢晴香は、行方の分からなくなった八雲を必死に探し長野を訪れる。そこで、晴香の母親と八雲の母親が出会っていたことが分かった。

また、石井刑事も真琴の助けを借り、後藤刑事の行方を懸命に探した。

晴香は、長野の廃山小屋に拉致され拷問を受け傷だらけで縛り上げられていた八雲を見つけるが、両目が赤い男に殺されそうになる。また、石井も車のトランクの中に縛り上げられていた後藤を見つけるが犯人に殺されかける。

一家惨殺事件の犯人とされていた男は冤罪で、また、後藤を襲った男も真犯人ではなかった。

小学生の時に誘拐された娘が、殺人犯であり、精神科医であり、八雲の姉と名乗った人物だった。

ストーリーが凄いスピードで展開していき、あっという間に読み終えてしまった。

今作も、幽霊や心霊現象というより、ミステリー作品として楽しめた。