Trex70’s blog

特別支援教育士として、障害児の教育相談を2000組近く行い、引退後は、毎年200冊以上の本を分野に関係なく暇に任せて読んでいます。Trexはティラノサウルス・レックスのこと。大好きな恐竜です。

死してなお/著:矢月秀作

一人の犯罪者の心理を追求していった警官の物語だ。

主人公は、大分県警本部刑事部刑事企画課捜査支援室に配属された三浦賢太郎は、大分県の警察学校での犯罪捜査の中で知った荻谷信について、既決した事件だったが卒配後も心理分析を続けていた。

萩谷を調べていくと残忍な事件を起こした人物にもかかわらず、聞き込みをした人たちから「優しい」という言葉が得られた。

母親が実家とは上手くいかずに、家を飛び出し水商売を転々としていく内に、子どもを授かった。生まれた子どもの名前は「信」。父親を知らずに育った。薄幸で子どもへの愛情も薄い母に育てられた信が、小学生の時にクラスメートの布施を守るために暴力事件を起こした。小学生が起こした事件としては異常性を含んでいた。その時の担任・高梁は、教職を辞め郷里に引き籠った。しかし、絵の才能は、画家が嫉妬し盗作するほどのものがあった。

成人してから犯罪者を集め会社を起こしたが、信のルールを守らないものには容赦ない制裁を加えた。なぜ、このような残忍性を発揮するのか、三浦は原因を調べていく。

 

楽しい物語では全くない。また、生きていく上に参考になる話でもない。

すでに既決している自殺した凶悪殺人犯の軌跡を辿れるほど警察は暇なのかと思いながら読み進めた。