「あきない世傳金と銀」シリーズの最終巻。浅草田原町に江戸新店を開いた呉服屋の五鈴屋が呉服仲間から外され、呉服が扱えなくなったが浅草太物仲間の協力で再び絹織物も扱えるようになった。
数々の試練を乗り越えた五鈴屋は吉原での衣裳競べで、色ではなく歌と芸で勝負する芸者歌扇に纏わせ、幸を裏切った妹・結の音羽屋の衣装に負ける。しかし、歌扇はその後大人気の芸者としての生きる道を得ることができた。
「買うての幸い、売っての幸せ」を掲げて、五鈴屋の幸は新たに菊栄と一緒に新店舗を開設する。
<目次>
第一章 北国春景
第二章 新たな時代へ
第三章 秋立つ
第四章 華いくさ
第五章 時運
第六章 幕開き
第七章 次なる一手
第八章 恋江戸染
第九章 奈落
第十章 激浪
第十一章 一意攻苦
第十二章 分袂歌
第十三章 金と銀
新たに出した新店も2年後に元の持ち主の二重売りが発覚し(詐欺にあい)、店の土地権利を示す沽券状が意味のないものになり、菊栄ともども、新店を手放すことになる。
妹・結との悲しい別れもあった。しかし、メゲルことなく幸は前に進んでいく。
女性を中心に書かれた物語だったが、何度も感動を覚えることができた。