Trex70’s blog

特別支援教育士として、障害児の教育相談を2000組近く行い、引退後は、毎年200冊以上の本を分野に関係なく暇に任せて読んでいます。Trexはティラノサウルス・レックスのこと。大好きな恐竜です。

認知心理検察官の捜査ファイル② 名前のない被疑者/著:貴戸湊太

前作同様、家具や衣服を堅持事務室に持ち込んで住みついている大神祐介。大神は、心理学で被疑者の嘘を見破り口を割らせてきたエリート検事だ。その大神のもとで様々な事件を経験し成長していく検察事務官の朝比奈こころ。この二人のところに殺人事件の被疑者が連れてこられて、ストーリーは展開していく。

第一話 名前のない被疑者

一人の女性が同室の女性を殺したと自首してきたが、自分の名前を黙秘する。大神が、朝比奈に調査に行かせ、一緒に住んでいた相手にも自分の名前を明かしていなかったことが分かった。名無しさんの本当の名前を殺した女性が名乗っていた。

名無しさんの嘘を大神は次々と暴いていった。生活が苦しく自分の戸籍を売ってしまったことが根底にあった。また、殺された女性も他人の名前を使って日常生活を過ごしていたのだ。

第二話 もう一人埋めました

犬の散歩で公園を訪れていたところ、いつもと違うところに駆け出した犬が公園に埋められていた男の人骨を発見した。その発見のニュースを見て、一人の若い男が自分がやったと自首してきた。大神がその男を調べているともう一人公園に埋めたと自白した。

自白の通り、公園を掘り起こしていくと女性の人骨が見つかった。

二人と男の関係はどうなっていたのか、大神が男の嘘を暴いていく内に、二人は行方不明のままになっていたこと、また、なぜ男が自首してきたのかが分かってきた。

第三話 風邪をひいたから殺した

一人の女性が、別れた夫を自分のアパートで殺したと自首してきた。大神が殺した理由を訊ねると風邪を引いたから殺したと意味不明の答えが返ってきた。朝比奈に女性の家を捜索させていくと空の本棚の部屋、漫画を山積みにした部屋と不可解な現場だったことが分かった。空の本棚の部屋が女性が元夫を殺した部屋で、漫画を山積みにしていた部屋が娘の部屋だった。

大神が心理学を応用しながら女性を尋問していくと真っ赤な嘘が見えてきた。

第四話 相棒を殺すとき

夜の公園で女子高生がバットで殴打されて殺された。犯人は、殺された女子高生の担任だった。12年前にも同じ公園で女子高生がバットで殴打されてなくなるという事件があり、犯人も凶器も不明のままだった。
凶器のバットを鑑定すると12年前に殺された女子高生の血液も検出された。担任が二人を殺したのか、それとも別に犯人がいるのか、凶器のバットはどこから持ってきたのか。大神は、朝比奈に学校と殺された女子高生の自宅の調査に行くように命ずると殺された女子高生の母親も同じ高校の元国語教師だったことが分かった。

12年前に殺された女子高生は、友達のいない大神検事の子どもの頃の良き相棒だった。関係者だった大神はいつもの冷静さを失いかけそうになるのを朝比奈が相棒として支える。