セブンーイレブンをつくり、セブン銀行を立ち上げた鈴木敏文氏をモデルにしたビジネス小説だ。
主人公・大木将史は、スーパーマーケット事業を展開するフジタヨーシュウ堂に入社し、視察先のアメリカで給油に立ち寄ったガソリンスタンドに併設されていたコンビニエンスストアに入り衝撃を受ける。日本に戻った将史は、藤田社長にコンビニ事業への参入を提案した。
フジタヨーシュウ堂はレストラチェーンの準備を進めていたこともあり、また日本の風土には馴染まないと反対するものが多く、小規模商店との共存共栄を経営課題にする藤田社長も難色を示した。
将史は5億円以上の赤字を出したら諦めると社長を説得し、アメリカのサウスカントリー社との交渉にあたった。出店エリアを日本全域・出店数は八年間で1200店、ロイヤルティ0.6%で契約が成立し、江東区豊洲にある本山酒店とフランチャイズ契約を結び、コンビニエンスストア第一号店としてスタートした。
日本の消費者の暮らしを流通業界に革命を起こすことで大きく変え豊かにもした。
バブルを経験した流通業界の変遷と経営者の責務について興味深く描かれている。
また最後に独裁者として辞任しなければならなかった後継者育成の難しさと「成長よりも生存」、公企業としての在り方について教えられた。
<目次>
第九章 コンビニ契約成立
第十章 コンビニスタート
第十一章 スーパーマーケット大改革
第十二章 荒天に準備せよ
第十三章 バブル
第十四章 社長退陣
第十五章 独裁
第十六章 決断
第十七章 カリスマの終焉