表紙の装画はGLAYのTERU。
柚月裕子が作家デビューしてから、日常生活から、創作の裏話までの15年間を綴ったエッセイ集。幼いころから父親の転勤で引っ越しを繰り返し友達がなかなか作れず、本が友達だった柚月氏の軌跡が辿れる。
<目次>
〇ふたつの時間
記憶のなかの料理
違いは間違いではない
道の記憶
安心なる不安
祭りのひよこ
他 46編
〇ふたりの自分
見捨てないで
黙々と
あの日からふたりの自分
ふたつの時間
柚月氏のご両親が東日本大震災で行方不明になり、数か月間見つからなかった。その時の辛い思い。折れそうになる心を父親の言葉が支えた。
震災で止まった自分と今の自分。
震災に合われたご家族、ご遺族のお気持ちは、容易に測れるものではありません。
東日本大震災後ドイツは、原発0を目指して太陽光発電を増やしているにもかかわらず、日本はアメリカの言うがままに原発を2050年までに3倍に増やすというCOP28での宣言に賛同した。このことに心痛める方も多いのではないかと思う。
いろいろなことを考えさせるエッセイだった。