大学4年の飯田瑞穂と名乗る女性が、住んでいるマンションで飛び降り自殺を繰り返す女の幽霊がいて、恐ろしくて夜も眠れないと斉藤八雲のもとを訪れた。八雲と小沢晴香はマンションに向かう。そこで死者の霊が見えるという両眼が赤い霊媒師の神山と出会う。若い女性の霊を見た八雲は、そのマンションで過去に自殺した人間がいないかを後藤刑事に調べるように依頼した。その結果、強姦被害にあい、自殺した若い女性がいたことが分かった。
この事件とは別に、警察署長の娘で新聞記者の土方真琴も、数年振りに会う大学時代の友人とスナックで待ち合わせをしていて怪奇現象を体験する。スナックで同席した4人に「死ね・・・・」と叫ぶ幽霊がつきまとう。
しかし、この2つの事件は1つの事件としてつながっていく。
八雲が、晴香と後藤刑事・石井刑事を部下のように使い、幽霊事件を解決していく。
強姦被害にあった女性が訴訟を起こそうとしていたのを諦めさせるように圧力をかけたり、強姦犯が政治家の息子であったために、その政治家の依頼で事件の隠蔽工作と別の強姦犯を警察関係者がでっちあげ、冤罪事件まで起こしていた。また、八雲と後藤刑事がその事実を突き止めたとき、署長が煙に巻こうとしたために、怒った後藤刑事は署長に頭突き喰らわせてしまう。
この事件の根幹には、女性を自殺に追い込んだ者への復讐があった。
351頁、4時間ほどで読めてしまった。