Trex70’s blog

特別支援教育士として、障害児の教育相談を2000組近く行い、引退後は、毎年200冊以上の本を分野に関係なく暇に任せて読んでいます。Trexはティラノサウルス・レックスのこと。大好きな恐竜です。

脈動 /著:今野敏

警視庁生活安全部少年事件課巡査部長・富野輝彦、お祓い師の鬼道衆の鬼龍光一と奥州勢の安倍孝景、高校生で元妙道の池垣亜紀たちが活躍するシリーズ。

富野は、日本神話のアマテラスの直系の神武天皇に逆らったナガスネ彦(長髄彦)の末裔という設定でオカルト的な格でいうと一番高く、鬼龍や孝景が従うという形で登場している。また、富野は長髄彦の拠点が奈良県登美にあったことからトミ氏と呼ばれていた。

 

今回は、警視庁内で警察官による暴力やみだらな行為など警察官による非違行為が相次いで発生する。

事態の悪化を恐れた富野は、鬼龍、孝景、亜紀を呼び出し、不祥事の原因を探っていくと、警視庁にはられていた結界が破られたためと推測した。

そこで、鬼龍は安倍晴明の子孫で陰陽師の本家の萩原を呼び、警視庁の中を調べると結界として置かれていた三種の神器の一つの鏡が割られていることが分かった。

一方で、富野は荒川河川敷で少年グループが起こした傷害事件で、小松川署での少年の取り調べに立ち会う。そこで半グレ集団による少女売春の情報をつかむ。売春させられていたという少女・島田凪の行方を捜索する中で、警視庁の結界破りと凪が関係があることが分かってくる。

一連の事件は凪が亡者に取りつかれてしまったことが原因だった。亡者たちを祓うため、富野と鬼龍と孝景と亜紀は立ち向かう。

「ふるべゆらゆらとふるべ。ふるべゆらゆらとふるべ。」

「ひとふたみよいつむななやここのたり」

と鬼龍が唱える布瑠の言(「ひふみ祓詞」・「ひふみ神言」)は、死者蘇生の言霊といわれるほどの呪力を発揮する。

 

伝奇ミステリ(オカルト)と警察小説をミックスした話だが、毎回、良く分らないが何か面白かったと思わせる小説だった。