NHKでもドラマ化された作品。
主人公は、両親を事故で無くした雫。読んでいて、悲しくって、切なくって涙が出た。
一人で暮らしていた雫は、ある日医師からステージⅣの癌で余命宣告を受け、男手ひとつで育ててくれた(義)父(母の双子の弟)にも告げず、最後の日々を過ごす場所として、瀬戸内の島にあるホスピスを選んだ。
穏やかな島の景色の中で本当にしたかったことを考える。ホスピスでは、毎週日曜日、入居者が生きている間にもう一度食べたい思い出のおやつをリクエストできる「おやつの時間」がある。生きることに悩む、雫には中々、リクエストが思い浮かばなかった。
いつか訪れる死。葛藤や運命を受け入れていき、命が尽きるまで精一杯人生を全うする。生きることの素晴らしさを改めて感じさせる物語だった。