この小説のタイトル『タングル』とは、「もつれる」ということ。技術開発の最先端にスポットを当ててつつ、タイトルの通りにストーリーが縺れながら展開される。
スパコンをはるかに凌ぐ低消費電力と高速計算を両立させる量子コンピューターの実現に向けて、さまざまな方法が模索されている。
この小説では光量子コンピューターの開発にスポットを当てている。
日本政府が大企業などの様々なしがらみで予算を縮小していくため研究の先行きが見えなくなり、早乙女教授は研究費を潤沢に提供してもらえるシンガポールと共同開発を行うことになった。元通産審議官にして日本産業振興の裏業師や凄腕商社マン、シンガポールの若手プロジェクトリーダーや若手政治家を巻き込んで行き、日本政府もシンガポール政府も見守る円満な形の結末になる。