城塚翡翠と千和崎真が主人公のミステリ小説だ。テレビでも放送された内容だが、テレビとは異なり台詞と台詞の間に書かれた心理描写が面白い。
「生者の言伝」と「覗き窓の死角」の2篇からなる。
「生者の言伝」は、友人・悠斗の家族が所有する別荘に不法侵入した夏木蒼汰が、殺人事件に巻き込まれる話。蒼汰自身が殺人犯だと思い込み、慌てふためきいろいろと工作をする。しかし、最後まで読むとどんでん返しが待っている。
「覗き窓の死角」は、写真家の江刺詢子が妹を自殺に追いやった者達に復讐をしていく話。
友人になったと思っていた詢子に翡翠自身をアリバイ証人として仕立てられる。仕組まれたトリックを暴き、アリバイを崩していく過程が面白い。