もののけ本所深川事件帖シリーズ第六弾。妖怪時代劇で古道具屋鵙屋(もずや)の手代の周吉が主人公。周吉は幽霊や妖が見え、キツネの妖狐・オサキが憑いている。田沼意次の時代である。本所深川では、金のためなら殺しもいとわない畜生働きの盗賊が暴れ回っていた。そんな中、周吉が店のひとり娘のお琴に向けて書いた恋文が飛ばされ、町外れの墓場に落ちたところに地べたから現れた骸骨幽霊・朱里に拾われ、自分宛ての文だと勘違いした。墓場から次々と現れる成仏できずにいる骸骨長老や骸骨の剣士に脅されて、周吉はお琴と夫婦になることになった。骸骨の中には畜生働きの所為で一家皆殺しあったものもいる。 店に戻るため骸骨幽霊を成仏させようとしていた周吉だが、鵙屋に残忍な強盗が押し入るとの情報が入り思案する……。
直ぐに読み終えられる楽しい本だった。