これは、主人公の比嘉篤と謎の青年・宮城獅童によるファンタジー小説だ。
東京の大学病院で勤務していた篤が、父親の診療所を継ぐために8年ぶりに沖縄に渋々帰ってきた。
比嘉家には、診療所のお医者さんだけでなく、もう一つ役割があった。それは、神様や精霊たちとの橋渡し、御用聞きです。しかし、篤は現実主義者で精霊や神様も一切信じておらず、沖縄に伝わる信仰や伝説も馬鹿にしていた。
診療所に入り浸っていた謎の青年・宮城獅童は、宮城神社のシーサーの化身だった。
その2人のもとに不思議な人たち(実は精霊や神様)が訪れてくる。
神様はヒトが創ったもの。人々の信仰が創り出したもの。信仰が薄れてくると神様の存在自体も希薄になっていくというのが不思議な考え方でもあり、面白い。
精霊や神様との交流を描いた心がフワッと温まるような物語だった。
<目次>
第1章 ガジュマルに棲む精霊
第2章 ヤシチガミのお見舞い
第3章 宮城神社の守り神